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■ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について
・徳島大学病院
・日本神経学会
■ ご挨拶
徳島大学大学院医歯薬学研究部
臨床神経科学分野
教授 和泉唯信
この度、梶龍兒初代教授の後任として徳島大学病院神経内科の二代教授の職務を拝命いたしました。重責に身の引き締まる思いでありますが、患者さんに少しでも良くなっていただけるように誠心誠意つとめてまいります。
神経内科疾患は多岐にわたりますが認知症、脳卒中、頭痛、てんかん、神経難病などが知られています。
認知症は高齢化が著しい徳島県において特に重要です。これまで多くの御紹介・御相談を受け、診断し治療を行ってきました。また、新薬開発のための治験を数多く実施してきました。医療の地域格差が危惧されていますが、治験は、地方において最先端の治療を受けられる機会でもあり、継続して実施していく所存です。現在、私は徳島市の物忘れ専門員、認知症初期集中支援チーム員としても活動しています。各地区の行政、医師会と連携を深め、認知症診療・ケアの向上を全県で目指していきます。
脳卒中については脳神経外科、放射線科の先生と毎週合同カンファレンスを行いながら多数例に対応しています。脳卒中の急性期治療は進歩がいちじるしく、特に血管内治療(カテーテル治療)によって、以前なら重い後遺症を残すことが予測される状態でも相当な改善が期待できるようになりました。神経内科教室でも2名が脳血管内治療専門医を取得しており、この分野でもさらに貢献したいと考えています。先般、脳卒中・循環器病対策基本法が施行され脳卒中予防の更なる強化が期待されています。今後は、急性期治療の充実とともに一次予防にも力点を置いた脳卒中診療を行っていきます。
頭痛、てんかんも神経内科が診させてもらうことの多い疾患です。頭痛は片頭痛、群発頭痛のような再発・慢性の経過をとるものと、命にかかわる場合もあるくも膜下出血や髄膜炎などがあります。てんかんは小児から高齢者まで幅広い年齢層に生じる疾患です。高齢者においては痙攣を生じずに認知機能低下がおこることがあり注目されています。頭痛、てんかんにもより積極的に取り組んでいきます。
神経難病としては筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症・視神経脊髄炎関連疾患、重症筋無力症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、筋ジストロフィーなど多くの疾患があります。これまで、徳島県内外の多くの神経難病患者さんの診療にあたり、典型例・非典型例を確定診断し、最新の治療を提供してきました。また、各地域の病院との連携を進めるとともに、在宅訪問医とのネットワークを構築し、神経難病患者さんが安心して療養できる環境を整えてきました。有効な治療法がなかった神経難病にも治療法が開発されつつあります。今後は開発された治療法を県内外の各地におられる神経難病患者に偏りなく提供することを目指していきます。
まだまだ未熟者でいたらぬことも多々あろうかと存じます。ご要望やお気づきの点がありましたらご遠慮なくお声がけください。どうぞよろしくお願いいたします。
2020年(令和2年)2月1日