研修医・長期短期専修医募集

神経内科で治しましょう



■ 神経内科で治る病気や症状がたくさんあります。


 神経内科以外の医師や医学生の中に、「神経内科の病気は治らない、神経内科医は変わった病気を診断して喜んでいるだけ・・・」と、おっしゃる方がおられます。
しかし、その情報は非常に古く、間違っているとしか言えません。治療可能な神経内科疾患や、神経難病への有効な治療法は日々増えてきています。

治療法が確立されたり、
日進月歩の治療法が注目を集めている例を以下に挙げます。


 1)脳卒中
 2)片頭痛
 3)ボツリヌス毒素治療
 4)パーキンソン病、ジストニアへの深部脳刺激
 5)遺伝子治療
 6)脊髄小脳変性症やジストニアへの脳磁気刺激療法
 7)多発性硬化症へのインターフェロン療法
 8)アルツハイマー病
 9)再生医学



1)脳卒中


以前は中風と呼ばれ、リハビリするしか仕方の無い病気でしたが、今はブレイン・アタックとして、心筋梗塞と同様の救急処置により障害が軽減されます。

-PAと呼ばれる血栓を溶解させて脳細胞への血流を再開させる薬が認可になりました。ただし、この薬物の使用のためには24時間体勢のMRIやCT撮影室や専門の医療スタッフ、脳外科医の速やかな支援などが必要で、発症後4.5時間以内に投与する必要があります。



2)片頭痛


トリプタン製剤と呼ばれる片頭痛の特効薬が最近出来てきました。市販の鎮痛剤では治らない頭痛も、個々に適切な処方薬により、苦しみをかなり軽減することが可能です。 頭痛といっても原因はさまざまであり、治療も大きく異なることから専門医の受診が必要な場合があります。



3)ボツリヌス毒素治療


ジストニアなどの異常運動症に対し、ボツリヌス毒素治療が広く用いられています。
当科はジストニアとボツリヌス毒素治療に関する経験数では日本トップクラスで、日本中から患者様が受診されています。
脳卒中後の手足のこわばり(痙縮)に対するボツリヌス毒素治療も2010年10月から保険適用となり、当科でもリハビリテーションと併せた治療を行っています。


4)パーキンソン病、ジストニアへの深部脳刺激


パーキンソン病は、かって、手足のふるえや歩行障害が進行して薬が効かなくなればお手上げ、といった病気でしたが、脳深部にペースメーカーのような電極を埋め込み、電気刺激をすることで病状が改善する可能性があります。パーキンソン病だけでなく、ジストニアなどの運動異常に対しても適用となります。
当院脳外科と共同で脳深部電気刺激術(DBS)に取り組んでおり、効果をあげています。



5)遺伝子療法


神経内科の難病の多くは遺伝子異常によって引き起こされます。最近の遺伝子学の進歩により、様々な手段で遺伝子の発現を制御することが可能になってきました。多くはまだ研究室・動物レベルですが、あと数年もすればヒトのレベルで治療可能になる可能性が非常に高いです。



6)脊髄小脳変性症やジストニアへの脳磁気刺激療法


かなり以前から、脳に強い電気を当てる治療法が精神科を中心に行なわれてきました。その応用として、磁気刺激を脳の特定の部位に当てる治療法を当科でも行なっています。脊髄小脳変性症など神経変性疾患をはじめとした患者さんに適用する場合があり、治療の成果をあげています。



7)多発性硬化症へのインターフェロン療法


多発性硬化症は繰り返す神経障害が特徴ですが、インターフェロンの注射を行なうことにより、再発の回数が減少するというデータは欧米を中心に確立されています。当科でも入院して自己注射の指導を行なっています。インターフェロンだけでなく、最近では飲み薬の再発予防薬も使用できます。



8)アルツハイマー病


神経難病の多くは、異常な老化プロセスにより、特定の脳組織が障害されていくものです。その代表的疾患であるアルツハイマー病の原因がかなり分かってきました。
体に必要な蛋白が変性してアミロイドと呼ばれる水に溶けにくい蛋白になり、それが脳を障害することが分かっており、それを予防するためのワクチン治療などの治験が積極的に進められています。



9)再生医学


従来、脳細胞は一度死ぬと再生しないとされ、その点が「治療が困難」と言われる最大の理由でした。
しかし、iPS細胞などは色々な組織に分化する力があり、それを脳や脊髄に移植することで神経細胞を再生させる試みが動物実験で進められています。
パーキンソン病などの神経変性疾患での応用が期待されています。